2008年11月2日日曜日

中学時代のサイエンスフィクション海外編 2(ルビなし)

 宇宙の戦士。ハインライン。

  ミスターSF、私はそんなに入れ込んでいた訳ではないがサイエンスフィクションを代表する作家さんと言えばこの人しかいない。好きな作家はまた別だけど、質、量ともに凄いと思った。今でもその感想は変わっていない。私とハインラインの出会いはこれが初めてではなく、中1の時に、太陽系帝国の危機と言うのを読んでいる。印象は薄かった。これは1や2でも書いたけど、私のセレクトはシリーズ優先。同じキャラクターが出ている物が好きだった。今風に言うならキャラ指向だったと思う。そんな選択をしていると、サイエンスフィクションのメインストリーム的な作品とは意外に重ならない物らしい。


 華氏451度。ブラッドベリ。

  最初に読んだブラッドベリは、何かが道をやってくるだった。これは図書館で借りたのか買ったのかよく覚えていない。面白いと思って図書館で見つけたのが華氏…、今何も印象が無いのでそれほど面白くなかったのだろう。タイミングを外すと名作と言えどもそんなもんである。このとき火星年代記と言う本が有ることを知る。これはなかなか読めなかった。最終的に本屋で銀背を注文する。購入したのは高校に入ってからだった。ブラッドベリはその後短編集を何冊か買う物のほとんど印象がなかった。ただ、十月はたそがれの国と言うタイトルだけは泣きたくなる位好きだった。


 刷り込みと学習の日々、それが私の中学時代だったと思う。入門書と言うのが有ると知ったのは高校に入ってから。中2から中3の間中私は小説コーナーで銀背を探しまくっていた。


  ヒューゴ賞傑作選1、2 アシモフ編。

  銀背で出ていたヒューゴの短編を集めたもの。いまなら知ってるけど当時はヒューゴって何だってな物だった。ガンーズバック老の作品ラルフ…は後年大人になってからSF全集で知る事となる。1の印象はそれほどと言うか全然無かったが2は凄いと思った。大きな前庭、シマック、地獄行き列車、ブロック、アルジャーノンに花束を、キイス。特に大きな前庭、アルジャーノンに花束は、ゼラズニィのその顔はあまたの扉、その口はあまたの灯と共に私の三大傑作短編となる。 

  私の短編初体験は前述のとおりバラードだったので、短編には苦手意識が強かったのだがこの本はそんな気分を吹き飛ばした。おかげで一時期短編探しにあけくれるのである。福島さんのテーマ別アンソロジーを知ったのは高校時代、その頃には私の短編熱は冷めてしまっていて、手に取る事は無かった。後年ヒューゴの傑作選は講談社から出たが何故か読む気になれなかった。どうしてかは今も解らない。


 シマックの世界。シマック。

  銀背。アシモフが自伝で書いているが彼はシマックの大ファンだった。私はヒューゴの傑作選で大きな前庭を読んで以来熱狂的になった。へっぴり作戦、隣人ともに大好きになった。解説で都市や中継ステーションと言うタイトルは知ったがどうすれば読む事ができるのか全然解らなかった。図書館同士が本を交流しあえるシステムはその頃は話にも出ていなかった時代である。ハヤカワの文庫でその後、大宇宙の守護者と言うのが出たが、これはちょっとと思った記憶が有る。小鬼の居留地が出たのは高校に入ってからで、図書館に入るのが待ちて切れなくて本屋で買った。懐が苦しくて何日の本屋へ日参して、立ち読みを繰り返し思い切って買った思い出がある。都市はバイトの金で全集のバラ売りで購入。 このとき一緒に買ったのが、時はつるところ、ハミルトン、火星人ゴーホーム、ブラウン。ハヤカワのSF全集は2作品で一冊だったので、一緒に、地球人よ故郷に帰れ、ブリシュ。夢見る宝石、スタージョン。オペレーション外宇宙、ラインスターを読むことになった。おまけのつもりだったそれらに熱狂したのも変な話。だけどタイトルそのものは中学時代に知っていたと言うのはもっと変な話だった。 


  中3の夏、私はSFマガジンの購入を始めた。要するにそこまでのめり込んじゃった訳だ。 読み返すと作品タイトルをずらずら並べてるお馬鹿な話何だけど、書いてる本人はタイトルと思い出が一緒なので結構楽しい。割と時間軸がはっきりしているのはここまでで、後はグジャグジャなのだが、短編集に関してはもう一つだけ書いておきたいものが有った。でもそのためにはSFマガジンの話をしなくてはいけない。 

  初めて買ったSFマガジンは163号1972年の9月号で、何故か8月に出てた。ていうか当時はみんなそうだったんだよな。1ヶ月ずれてる。なんでなのか理由はよく物の本に説明されていたけど、今もその慣例って続いているんだろうか。 

  まぁ、そんなのはおまけな話なので置いといて、その9月号と言うのがニューウェーブ特集。ニューウェーブってもう死語なんだろうけど、要は前衛てこと。でかぶれました。

  教訓、10代は前衛って言葉に弱い。

  バラードがニューウェーブてのはうすうす気づいてたけど、あんまり意識していなかった。クレイター越える旅て短編がもう半端じゃないくらい訳解らなくて、その訳解らんところが良かったわけだ。今振り返るとホント十代って謎。これがどの位のめり込んだかと言うと高校に入ってからNWSFなんて言う同人誌まで通販で買い込むほどだった訳で、やっぱりどう甘く考えても莫迦である。でもさすがに残虐行為展覧会が和訳で出たころには熱も冷めていた。そんなもんよ十代って。

 話はどう繋がるかというと、このニューウェーブの牙城というのが英国のニューワールズっていうSF誌でこの傑作選が良かった。 


  ニュー・ワールズ傑作選 No.1。ムアコック編。

  銀背。店頭で見つけたのが高校入試直前だった筈で、さすがにこれを今買うのは不味かろうと思った。そのまま家に帰ったのだが、どうしての我慢出来なくて、自転車で再び買いに行った。このとき、中学の友人にあって説教された。入試前だぜ、何考えてんだよ。正論です。でも、その手を振り切って私買いに走りました。 

 教訓その2 10代は正論と解っていても素直に聞けない。

 友人の制止を振り切って買ったこの本はすばらしかった。ゼラズニィとディシュに出会えたのだから。


 12月の鍵。ゼラズニィ。 

 ゼラズニィと出会ったのはこれが最初で、この人は伝導の書に捧げる薔薇が有名だけど、私は薔薇よりこっちの鍵の方が好きである。むろん、その顔はあまたの…は別格だけどね。 


  リスの檻。ディシュ。 

 ディシュもこの時始めて読んだんだけど、私にとってゼラズニィとディシュは非常に対照的な印象になった。どちらも結構読んだがゼラズニィは全て面白いに対して、ディシュは良く輪からなかった。有名なプリズナーを読んだのは高校に入ってから、でもこれもなぁ、良く解らんかったよ。 


  私は基本的に読めれば良かった。だから集めるって言う感覚は薄かったと思う。小遣いも少なかったし、なんでもって訳では無くて、厳選することが大事だったが、基本的には絵で選んでいたと思う。そうでなければ選択枝の基準って言うのが全然解らなくなる。 ハヤカワの文庫に戻るけど、ハミルトンの名前を知りながらスターウルフに手を出さなかったのはイラストが好みでなかったか金が無かったからだろう。これは高校に入ってから友人に借りた。 


 大宇宙の後継者。ダールトン&シェール。 

 後年ペと言う愛称で親しまれるローダンの1巻目。速攻で買った。訳者の松谷さんはお亡くなりになってしまったが、今も複数の訳者で続いている。話の流れが早くて好きだったが20巻目ぐらいまでが華だったと思う。私は100巻ぐらいまで買ったけど後は挫折。ファンダムの友人は定年になったら、1巻目から読み返すと豪語してるけど、私はちと自信ない。別口の友人は、PRF(ペリーローダンファンクラブ)の開祖。ペと暴走族は富山が始まりなので有った。 


 スターキング。ハミルトン。

  英雄群像(親書版)を入手してその内容の追っかけを始めているころ図書館で読む。キャプテン・フューチャ以外は私はあまりハミルトンにはのめり込んでいないみたいで、これというインパクトは感じなかった様だ。ハミルトンにのめり込むのは大人になって、フェセンデンの宇宙を読んでからだと思う。


 銀河大戦。ハミルトン。

  買ったのか借りたのか全然覚えていない。当時はわくわくして読んだけど、今思うと、うーん。 


 自由未来。ハインライン。 

 宇宙の戦士以降、図書館で見かけたのはこれと地球の脅威。 自由未来は凄く面白いと言う訳では無かった。自分では月を売った男を購入。これは楽しかった。でも一番良かったのは地球の脅威。女の子が可愛かった。自分の女性の好みを意識したのはこの辺だけど、何故か嫁は全然タイプの違う女性だった。どうなってたんだろうねぇ、私の潜在意識。 


 バベル17。ディレイニー。銀背。

  ニューウェーブにディレイニーって奴がいる。それは知ってたけど、何を書いてるかは知らなかった。図書館で見つけて借りる。名前知らなかったら借りなかったかも知れない。スペースオペラ仕立てで楽しい話だった。ニューウェーブって格好いいけど楽しくないなぁと思い始めていたので、これを読んでまたニューウェーブに引き戻される。 


 この間アシモフの私はロボット、とかクラークの幼年期の終わりなどを読んでる筈なんだがいつ読んだかは不明。クラークは難し過ぎたみたい。私のクラーク体験はハヤカワが文庫の青背を出して、海底牧場を読んでから、そのあと長編を追っかけた。短編はそんなに入れ込まなかった様だ。記憶に全然ない。


  ロボット市民。バインダー。

  これは出ていることを知らなくて、書店で見かけて慌てて買った。買って読んだと言う記憶はあるが内容は記憶になし。そういう本だったようだ。 


 惑星間のハンター。バーンズ。

  英雄群像を読んだから、運び屋カーライルってシリーズは有るのは知っていたが、これが惑星間のハンターとはまるで結びつかなかった。慌てて買った。これが変わってて月世界ハリウッドと言うシリーズとコラボレーションしてたんですねぇ。そんな訳で。 


 太陽系無宿。野田昌宏編。 

 スペースオペラのシリーズもの集めたアンソロジー。月世界ハリウッドが入っていた。高校入試が終わってのんびりした時期に読む。もしかするとこれで惑星間のハンターの方を知ったのかもしれない。


  SFマガジンを買った2冊目が特集もので結構厚い奴だった。 このときがクトゥルー神話特集。ラブクラフトの闇に這う者とハワードの黒の石が載っていた。ハワードを読んだのはこれが始めて。私はファンタジー系は食わず嫌いなところがあって余り読まなかったんだけど、ラブクラフトやハワードのおかげでファンタジーも読み出したんだよな。 あと凶運の都ランクマーをヒューゴ特集で読んで、ヒロィックファンタジーも読み出した。と言うもののこのジャンルは当時ハワードしか翻訳が無くて、創元とハヤカワどっちにしようか悩んで創元にした、年代順と言うことと創元の方が少し安かった。後になってハヤカワ版を読んで、こっちにしとけば良かったと後悔。ハヤカワの征服王コナン、復刊すればいいと思ってます。ちなみに栗本さんのグイン外伝、7人の魔導師は征服王のオマージュ。 


  ラブクラフトは訳が殆どない状態で創元の怪奇小説傑作集が唯一入手しやすかった本。SFマガジンを買うと広告が結構あって国書刊行会とか創土社なんて名前を始めて知る。創土社の暗黒の秘技と言うのがただ一つまとまった短編集で、図書館にこいつが入らないかと書棚を睨んでいたがついに入らなかった。その代わり、怪奇幻想の文学 3 戦慄の創造にチャールズ・ウォードの奇怪な事件があるのを見つけたのは凄い偶然。あの頃怪奇っぽいタイトルを見つけると目次を見る習慣がついていた。国内SFにも手を出し始めた頃だから、図書館で一日二冊は読むのが当たり前、ほとんど一期一会の世界だった。今だから言えるけど受験勉強なんて全然して無かった。


  地球の長い午後。オールディス。銀背。

  一番最初に読んだオールディス。宇宙船では無く植物で宇宙に行っちゃうシーンが印象に残っている。その後ありえざる星を購入。高校に入ってからもなんだかんだと言いながら読んでた感じがする。陰世代は訳が解らんかった。そんな中で銀河は砂粒のごとくが私のベスト。


  逆回りの世界。ディック。銀背。

  私のディック初体験はこれ。陰世代と同じく時間逆行を扱っていながら、訳わかんないのに何故か可笑しくて哀しくて面白かった。でも熱狂的になるほどのめり込まなかった。10代でディックは難しすぎたのだろうと思う。銀背で読めたのは、これと火星のタイムスリップだけ。後は大人になって、青背とサンリオで読む。熱狂的になるのは30代に入ってからだった。


 虚像のエコー。ディシュ。銀背。

  ディシュの訃報はショックだけど、ちょっと難しすぎる作家だったと思う。この作品もよく解らなかった。ほとんど勢いだけで読んだ。


 闇の左手。ルグィン。銀背。 

 私のルグィン体験は10代ではこれのみ、面白かったけど積極的に探そうと言う気も起きなかったみたい。だからゲドも大人になってから読んだ。やはり10代では理解しにくかったのかも。大人になってサンリオで結構読んだ気がする。 


  地衣騒動。ウインダム。銀背。

  実は中学時代、銀背で読んだ海外のベスト1はこれだったりする。トリフィドは40代半ばまで未読。さなぎや呪われた村は高校時代だった。なんでこれが気に入ったのか全然解らないが、5回以上は読み返しているだろう。意外だけどこれは文庫に入っていない。とても残念な話である。 


 読み返すと銀背のことばかり書いてるようだ。でも実際の所、中学時代の自分の中で銀背を読んで割合は結構少ないんだ。当時の私はSFだけでなくミステリー(当時は推理小説と呼んでいた)や時代小説を読んでたし。中国の奇書とかもお気に入りだった。文芸書は国内ものは敬遠ぎみだったが外国ものは好きだった。要するに何でも読んでた訳だ。 本を読む大半の時間はSFだった訳だけど、その主流は文庫。要は創元とハヤカワだった。 中2の終わり位から創元とハヤカワの比率が逆転し始めた。ハヤカワが多くなってきたんだな。 


  中学時代に私はロボットを読んだ様に書いたけど、出版時期から考えるとこれは高校時代らしい。中学時代の創元と言えば忘れがたいのが、 


 渚にて。シュート。 

 終末を扱った哀しい物語だった。 


 黙示録三千百七十四年。ミラー。 

 同じく終末もの。国内では復活の日を読んだのも同じ時期だったと思うので、なにか終末ものに思い入れが有ったみたい。この2冊どう気に入ったのか知らないが何度も何度も読み返している。  


 原子力潜水艦シービュー号。スタージョン。 

 スタージョンを読んだのはこれが最初。今思うとあのスタージョンが何でと思うんだけど、面白かった。有名なTVシリーズ。バンアレン帯が燃える話。続編の海底都市も読んだが、作者は別。内容覚えていない。  


 空飛ぶ円盤。マドック。 

 TERRAの工作員、この時間エントロピー修復機関と言うネーミングが格好良くて、1と2は何度も読む。時間物を読んだのは始めてだったかも。そのくせ急に冷めて、3、4は未読になってしまった。何故かは不明。  


 賢者の石。ウィルソン。 

 クトゥルー神話を扱った物。バタ臭さがないスマートな作品だった。それ故に余り楽しくない作品。不当な評価だと自分でも思うけど、SFっぽいけどSFじゃ無い、旨くいえないある感覚が生まれつつあった。

 
 お終いと言うのを意識しだすと、中々書けなくなる。うまく書こうと言う気持ちが前に出過ぎるせいだろう。やはりこの年になっても自然体は難しい。 

 (補足)

 この辺り何か書き込みを加えようと思ったのだけど、意外になにも出てこない。これで自分の中で完結しているみたいです。  


 宇宙大作戦 地球上陸命令。ブリッシュ。 

 中学時代のテレビシリーズと言えば思い出すのがこの宇宙大作戦と謎の円盤UFOだった。UFOの方は高校時代に買ったが、宇宙大作戦はこれと二重人間スポックを購入。タキオンと言うのを初めて知った。ブリッシュ版は私好みだったが、後から出た別の作家のバージョンはとうもなじめなくて買わなかった。 宇宙大作戦をスタートレックと呼ぶのは通だけで、私は通でもなんでも無かったから宇宙大作戦と呼んでいた。今よりもずっと地味な話が多かったけど、奥行きはあの頃の方が有った気がするのはわたしの欲目か?  


 二重太陽系死の呼び声。ジョーンズ。 

 その道(あるいは業界)では有名だったジェイムスン教授のシリーズ。英雄群像で知って読みたいと思いつつ、未訳という事であきらめていたもの。(ほんとはSFマガジンで翻訳が有ったらしいがそのころはSFマガジンのことは詳しく知らなかったからしょうがない。速攻で買った。これはイラストが藤子さんで漫画とは随分絵柄が違っていた印象がある。  


 異次元を覗く家。ホジスン。 

 何故これを買ったのか全然解らない。ホラーと幻想が半々みたいな話で、イラストの豚が凄く印象に残った。ラストがどうだったかまるで記憶にない。これが縁でホジスンは何冊が買ったがいずれも大人になってからだった。  


 つぎの岩につづく。ラファティ。 

 SFマガジンで読む。初めてのラファティだった。けったいな話で、頭の中がぐるぐるいってた、不思議なことにこの前の号にもラファティは一篇載っていたのだが、これは読んだ記憶がない。 

(補足)

 30代だっただろうか、ラファティの長編を何冊か読んだ気がするのだが、まるっきり記憶にないので、そんなにおもしろいと思わなかったらしい。頭がぐるぐるになったのは九百人のお祖母さん上記の岩とお祖母さんがわたしのラファティのベスト。  


 銀河市民。ハインライン。 

 これも何故買ったのかよく覚えていない。ハインラインだったのと野田訳だったのが買った理由だったのかもしれない。こういう少年を書かせるとハインラインは独特の味があって、後年読んだエンダーや少女ものの成長の儀式などはやはりちょっとと思った。不思議なのは銀河市民の終わり方でほなんとなく唐突な感じがして続きがあるのだろうかと期待したがそんな事はなく。そう言うがっかりはあったけど、結構気に入って何度か読み返した作品だった。  


 この一連の日記を読み返すとホント本のタイトルの羅列だけで面白くともなんともない訳だけど、あの頃解説本もなく文庫の巻末のリストと英雄群像だけで、よくまぁこれだけ追っかけたものだと自分でも呆れてしまう。好きだったんだねぇ。意外なのは大宇宙の魔女が出ていたが買っていないと言う事。英雄群像では知っていたが手を出していない。これを読んだのは高校に入ってからだった。同じように砂の惑星や火星の戦士も当時未読。ハインラインの異星の客は厚いし高かったからだが、クレメントの重力への挑戦は存在も認知していなかった。ベスターの分解された男は、当時創元では出ていない。いろんな意味で助走の時間だったと言えるかもしれない。  


 少し高いところからものを言う形になるかもしれないけど、中学時代読んどけばと思ったものには二つある。  


 ひとつは早川のSF全集。当時の読書力なら半年も掛からなかったと思う。全部は無理でも世界の短編、古典と現代は読んでおきたかった。いろんな回り道をせずにすんだ気がする。あとひとつはSFベスト・オブ・ザ・ベストを含む年間SF傑作選。なんでも箱や去りにし日々の光なんかが良かった。まぁのめり込み過ぎるといかんよと言いたいけど、自分の中学時代の体験から言ってのめり込むなと言う方が無理な話。だから、のめり込むならいろいろ覚悟して読みなさい。覚悟がないなら、大学入ってから読みなさいというのを大人の落ちにしておこう。  


 海外編はここでお終い。次は国内編ってことになるけど。このままつ続けるのもしらけてしまうから、それはまた機会があればいうことにして、これで中学時代のサイエンスフィクションは終わりにします。